JTOCについての対談- Talk

JTOCについての対談

ホームページを見て頂いている皆様の中には、恐らくATSU/KCOM(通称KCOM)のことをあまりご存知ではない方もいらっしゃるかと思いますので、ここにKCOMとの提携の意義について予め少し補足説明しておきましょう。

Kirksville College of Osteopathic Medicine(KCOM)は、オステオパシー界における聖地(発祥の地)であり、オステオパシー界における最高レベルのオステオパシー医科大学(アメリカでは、オステオパシードクターはMDと同等の権利を持つ医師である)であります。わかりやすく日本国内の医学部に例えて言いますと、東京大学医学部(理科Ⅲ類)と言ったような感じだと思っていただいたら良いでしょう。もし、その東京大学医学部が、民間資格の学校と提携するようなことがあれば、皆さんはきっと驚かれるでしょう。しかし、それと同じようなことが起こったのです。

北米・南米及びヨーロッパにおけるオステオパシーの学校等も価値を高めるために色々な大学と提携をしてマスターの称号を発行してもらったりもしています。これはとても良いことで、学生が真剣に研究に取り組み素晴らしい論文を作成することなどにもつながります。

KCOMはそのような観点からアメリカ以外のオステオパシーの学校にとっては、とても権威もあり魅力的な大学となります。そういったことはKCOM自身よくわかっており、これまで色々な国の色々な学校や団体からアプローチを受けてきましたが、一切提携はしてきませんでした。その理由の一つとして、恐らくは提携することで相手にメリットがあってもKCOMには何のメリットもなく、下手をするとリスクを抱えることになってしまう恐れがあるからかもしれません。

オステオパシー発祥の大学、そして米国オステオパシー界のトップレベルの大学という誇りを守るためにも、『名誉ある孤立』を保ってきたのだと思います。

かつての大英帝国が、どこの国とも同盟を組まずに『名誉ある孤立』を保ってきたこととある意味同じことでしょう。しかし、かつて文明開化して間もない日本が、その大英帝国と世界で初めて同盟(日英同盟)を結び世界を驚かせたのと同じく、オステオパシーの歴史が浅い日本でJTOCがKCOMと世界で初めて提携を成し遂げ、再び世界を驚かせるような偉業を成し遂げたのです。

→ ATSU/KCOMとの国際教育提携契約について

下村1期生の定員32名に対し、それを上回る応募(38名)があったのは非常に有難かったです。レンゾー先生は、1期生から定員を満たすと思っておられましたか?

Renzo・・・笑・・・、正直思っていませんでした。ヨーロッパにおいて(オステオパシーが)国家資格ではない国で学校を創っても、学生が10人や15人に満たない所もよくあります。そのような時は、次年度にもう一度募集をかけて生徒が集まってから受け入れられるようにしています。

下村そのことは、あるD.O.から聞いたことがあります。

Renzoあなたは何人位集まると考えていたのですか?

下村正直、蓋を開けるまで全くわかりませんでした。10人位は最低でも応募してくれるのではないかと思っていたのですが、それも根拠はありませんでした。

Renzoそれは逆に驚きましたね。

下村というのも、国会議員の選挙のように、自分でマイクを持って"入学をお願いします"という感じで挨拶にまわったり電話をかけたりしていれば、手応えがある程度はつかめると思うのですが、学長の私がそのようなことをしなければ集まらない様では、学生から見るとその学校の前途は見えてしまいますからね(笑)。とにかく、私はそのような格好の悪いことをしようとは思わなかったのです。

Renzoそのあなたの考えは正しいですね。

下村ありがとうございます。それに私はそれまでに日本全国でセミナーを開催し、実際に身体の具合が悪い受講生をデモンストレーションとしてセミナー中に治療をし、劇的に回復するところを見せてきました。そこまで全力で頑張ったにも関わらず、十分な学生がもし集まらなかったら、所詮自分の力はそんなもんだと考えていました。

Renzoなるほど・・・。でも、もし十分な学生が集まらなければ、どうしようと考えていましたか?

下村もし1人か2人なら授業にならないので、勿論今年度は中止以外にありませんでした。しかし、6~7人の申込みがあったのなら、経営的にマイナスであってもスタートしていたでしょう。

Renzoなぜですか?

下村信用を失くしたくないからです。勿論、気持ちの中では中止にしたいという思いもあったかもしれません。でも、中止にして信用を失くすより経営的にマイナスでも信用を得るようにした方が5年後10年後には上手くいっていると思います。私は何か事業を始める時は、絶対に信用できる相手としか組まないし、私自身、信用を失くすようなことをしないよう気を付けています。

Renzoあなたのその経営センスはどこからきているのですか?

下村わかりません(笑)。私の両親はなんの商売もしていませんでしたし。ただ、考えられるとしたら2つあります。1つは、私の祖父の教育、もう1つは歴史から学んできたのだと思います。

下村ところで、私ばかりが喋りすぎていますので、レンゾー先生に私からも少し質問させて下さい。

Renzo・・・笑・・・。どうぞ。

下村JTOCの講師陣を集めるにあたり、一番気を使われたところはどんなところでしたか?

Renzoそうですね、私はあなたの性格もよく理解しているつもりですから、まず、連絡を入れてもなかなか返事を返してこない人は構想から一番最初に外しました。また、海外に出ることをあまり好まない人も、仮に引き受けてくれても続かないだろうという考えで外しました。そして、マネージメントのこともありますが、次に考えたのが、情熱もあるが技術が上回る講師を採用するか、技術もあるが情熱が上回っている講師を採用するかということでした。ここでは、私とあなたの意見が反対でしたね。

下村それは今でも覚えています(笑)。メールで何回もやりとりしました。

Renzo私は情熱よりも技術が上回っている講師を採用するべきだと考えていたのに対し、あなたは講師としての必要な技術レベルを確保しているなら、より強い情熱を持った人を採用すべきであるとその理由をつけてメールを返信してきました。結果として、あなたの意見の方が正しかったことが後々証明されることになりましたが(笑)。

下村やはり歴史の勉強は役にたちますね(笑)。しかし、これは日本だからだったのかもしれません。やはりその国の国民性などによって変わってくるのではないでしょうか。

Renzoそれはそうかもしれませんね。でも2月にロンドンで3月にはアメリカで講師ミーティングを行いましたが、よくこれだけの素晴らしい講師が集まってくれたと感慨深いものがありました。

下村そうですね。アメリカは私とあなたの2人で集めましたが、ヨーロッパでは、レンゾー先生が中心になって優れた講師を集めて頂いたので、本当に助かりました。今回のことでレンゾー先生の真価がいかんなく発揮されましたね。

Renzoどういうことですか?

下村これだけの人を集めるのはかなりの人望がなければ無理だったでしょう。つまりあなたのために動いてくれる人が世界中に沢山いるということです。

Renzoそれはあまりにも持ち上げすぎですよ(笑)。

下村いえいえ、本当のことです。私は世界中であなたのことを聞きますが、あなたの事を悪くいう人は一人もいませんよ。

Renzoありがとう(笑)。とても光栄です。

下村しかし、JTOCは世界初めてのことがいくつかありますね。1つは本当に世界中からその分野で選りすぐった人を集めたこと、1つはアメリカの現役講師のD.O. を何人も採用できたこと、1つはKCOMと提携できた世界で初めての学校であり、世界で初めてKCOMのオンライン授業を取り入れることです。

Renzoそうですね。よくKCOMと提携できましたね!あなたの行動力にはいつも感心させられます。

下村レンゾー先生はメールでKCOMに行っても無駄だと書いておられましたね(笑)。

Renzoそうですね。私はあの時、KCOMはどことも提携する気がないのではないかと考えていました。というのも、これまでいくつかの学校が申込をしてもどこの国の学校も相手にされませんでしたし、最近では、ドイツの医学博士の団体ですら断られたのですよ。

下村知っています。2、3年前には中国の医学校からも提携の申込をしていますが、KCOMは断っていますね。

Renzo何が提携の決め手となったのですか?

下村それは私にもわかりません。しかし、周りの方から聞いた話によると、講師陣の顔ぶれやカリキュラムの内容が良かったことや、お会いした時に好感を持って頂いたようです。ただ言えることは、私はKCOMに行くときからすでに提携出来る気満々で出発したのは確かですね。

Renzoその根拠はなんだったのですか?

下村根拠!?・・・そういわれてみると何もなかったですね(笑)。でもとにかく私はまともにいったら120%提携の見込みはない(断られる)ということは理解していました。ですから、私は相手の学長の立場になって考えてみたのです。そして自分なりに理解したことは、相手は十分に資本がある学校で資金に困っていることはない。となると、絶対マネージメントが優先順位ではないなと思ったのです。それならば、どうしたら提携してもらえるかと考えた末に、私がもしKCOMの学長ならこの男と提携したら何か面白いことをやってくれるのではないか、あるいは出来そうだ、という様に相手の心を動かすしかないなと考えたのです。

Renzoなるほど・・・。

下村それで私は自分の気持ちが伝わるように、そして相手がイメージできるように十分な準備を整えていったのです。

Renzoあなたのその発想は素晴らしいと思います。また、その発想から起こると思われる行動力にはいつも感心させられます。

下村ありがとうございます。私はこのような性格なので、味方も多いですが敵も多いという欠点があります。しかし、あなたには敵がいない。これは、今後私が最も見習うべきところです。これは、いつも妻にも言われています。

Renzo・・・笑。

下村JTOCがアメリカのD.O.を講師に出来た意味は大きいです。

Renzoそうですね。アメリカのD.O.は医師ですから、当然プライドが高くセミナー講師には来てくれてもなかなか学校の講師を引き受けてくれたりはしませんね。

下村そうですね。しかも、そうそうたるメンバーですね。頭蓋講師のDaniel G. Williams D.O.はサザーランド教育財団の現役講師ですし、カウンターストレイン講師のMichael Kurisu D.O.はオステオパシー大学の現役講師であり、Connie J Speece D.O.はダラスオステオパシックスタディーグループの会長の娘さんで、Brain Degenhardt, D.O.はKCOMで教えておられる現役講師です。そして、JTOC講師の中でもMichael Kuchera D.O.が慢性疾患の講師を引き受けて下さったのは大きかったですね。これは、私よりもレンゾー先生のお力のお陰でしたね。

Renzo彼とはもう古いつきあいで、ヨーロッパにもよく教えにきてももらっていました。とても技術力があり学生からの評判もよいD.O.です。今回、私が最高顧問になったことから、何か私にしかできないお手伝いはないかと考え、Kuchera D.O. にアタックしてみましたが、快く引き受けていただけて良かったです。

下村そうですね。私自身、ここまでインパクトのあるベストな講師が揃うとは思ってもなかったですね。ところで、レンゾー先生のことをよく知っている学生は、皆あなたの婦人科の授業を楽しみにしていますよ。確かレンゾー先生はイギリスにおけるベスト100の産婦人科のドクターの中に入っていましたよね。

Renzoそうです。私はオステオパスであり、医師ではないのですが光栄なことに選んでいただきました(笑)。

下村あなたのように技術もあり敵もいない人を私は他に知りません。世界中のどこにもあなたのことを悪くいう人はいませんよ。私は本当にあなたに最高顧問に就いて頂いて良かったと思っています。

Renzoところで、あなたの方こそJTOCの運営にあたりどの様なことを考えられていたのですか?

下村私は日本人気質に合った授業年数、カリキュラム数、カリキュラムの内容に合った時間構成を組めるよう心がけました。日本人はだらだらと間延びするよりも、しんどくても短期間で集中する方を好みます。従って、テキストなども講師にカリキュラムの日数や時間に合わせた独自のものをつくるように依頼したのもそういう理由からです。そして、卒業した後も、どの国のオステオパスからも受け入れてもらえ、一目置かれるような学校を創ろうと最初から考えていました。つまり、JTOCを立上げ、その名前を最初から世界におけるトップブランドにしようと考えたわけです。学校の質が悪ければATSU/KCOMは絶対に提携はしてくれませんから、提携できたという事は、カリキュラム等にそれだけの信用があるということになります。
その1つの証拠として、KCOMの方からオンラインの授業も取り入れてはどうかという提案をして頂きました。本当に驚きましたね。というか、有難かったです。世界のKCOMが認定するオンラインの授業を取り入れられるのですよ。提携することだけでも世界に例がないことでしたし、オンラインの授業を取り入れることなんて考えることすらできませんでした。そしてなんと、試験に合格すればKCOMから修了証が発行されることになっているのです。これまで、KCOMは一度だって修了証を発行したことなんてないのですよ。これは、JTOCとJTOCの学生たちにとっては本当にステイタスになると思うのです。そういうことから、最後の締めといいますか、総仕上げの仕事としてATSU/KCOMとの提携があったのです。

Renzoそうだったのですか。でも、あなたの言う通りになりましたね。正直、カリキュラムの内容は非常によく考えられた素晴らしいものですが、JTOCだけなら一流として認められるには、まだ少し時間を要していたかもしれませんね。日本から遠く離れたヨーロッパでは、日本の情報量も少ないため、軽く見られたままだったかもしれません。なぜなら、オステオパシーは日本ではまだ遅れていると思っている方が沢山いるからです。しかし、JTOCが世界で初めてATSU/KCOMとの提携に成功したことのインパクトは大きいと思います。世界中のオステオパシーの学校はきっと驚くことでしょう。例えば、誰に何と言われても、世界で初めてKCOMと提携したJTOCの卒業生であると言えば、アメリカを含むどこの国でも認められて、不動の地位を築くことになるでしょう。

下村ありがとうございます。このように出来たのもレンゾー先生のお力添えのお陰であると感謝しています。

Renzoこれからも、我々はもっともっと頑張りましょう。

下村勿論です!

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※D.O.(Diploma of Osteopathy)、JTOC、日本オステオパシープロフェッショナル協会(Japan Osteopathic Professional Association)は登録商標です。
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