JTOCの特長- Features of JTOC

学長あいさつGreetings of president

日本トラディショナルオステオパシーカレッジ

学長 下村 彰慶

1874年6月22日、アメリカ人のA. T. Still M.D. によりオステオパシーが世に発表されました。その後、歴史が刻まれるにつれ、オステオパシーが北米・欧州・オセアニア、そして近年では東欧諸国、ロシアにまで広がりを見せ、それらの国々においては、カイロプラクティックとオステオパシーの患者人口が逆転し、オステオパスの育成が急務となってきています。

イギリス、フランス、ベルギー、ニュージーランド、オーストラリアなどでは次々と国家ライセンスとなり、ロシアにおいては医師しかオステオパシーを扱ってはいけないというように、世界のオステオパシーに対する評価が年々高まっている中、我が日本を見てみますと、オステオパシーの団体・学校がいくつかあるものの、海外の教育水準と比べた場合、世界に肩を並べることが出来る一定水準以上のオステオパスを育成する学校は、皆無でありました。

「身体を1つのユニットとして診る」とはいうものの、教えている内容はテクニックであり、全体の評価をどのようにして行うかということを教えているところはありません。例えば、筋エネルギーテクニックやカウンターストレインテクニック、内臓マニピュレーションなど、オステオパシーには、全組織・器官に対してテクニックがあり、それぞれのテクニックには、どの様にしてそのテクニックを使うかという、ある一定のルールはあります。しかし、多くのテクニックを学べば学ぶほど、ではいつ、どこで、どの様な場合にどのテクニックを使うのか、ということがわからなくなってしまいます。

私はそのことに気付いたため、ではいったい北米(アメリカ・カナダ)や欧州などの教育機関ではどの様な教育をしているのだろうかということを調べる為に、約5年間をかけて、アメリカをはじめカナダ・イギリス・スペイン・フランス等、各国の学校12校を見て回り、ほとんど全ての学校の学長や理事長ともお話しさせて頂き、授業も行く先々でじっくり見学させて頂きました。

当初は、アメリカのオステオパス(D.O.)は医師であるため、日本で学校を始めるならヨーロッパの学校の方が参考になるのだろう、と考えていたのですが、現実は想像と違い、アメリカの最先端のテクノロジーを使った非常に合理的な教育に度肝を抜かれました。正直申しまして、アメリカと同水準の教育設備を持ったところは、カナダ及びヨーロッパの国々を回っても一校もありませんでした。そんな経験から、アメリカだけでもカークスビル(現A. T. Still University) を始めウェストバージニア大学、ミッドウエスタン大学(シカゴ)、フィラデルフィア大学、テキサス大学、バージニア大学に視察に行きました。もちろん、ヨーロッパ等の学校も見学し、全ての学校で内容にいくらかの差はあっても、共通して教えている科目が「膜」という学問を教えているということがわかりました。また反対に、日本の全てのオステオパシー団体や教育機関において、欠如していたり教育時間が不足している学問も「膜」であることがわかったのです。

この「膜」こそが全ての組織・器官をつなぎ身体に大きな変化を起こすための「鍵」であると悟った私は、膜に対する知識を身につけ始め、それを生かせるための技術も併せて身につけるように努めました。そうすることでHVLA(スラストテクニック)、カウンターストレイン、MFR(筋々膜リリース)、リンパテクニック、内臓マニピュレーション、クラニアルセラピーといったそれまでに学んでいても眠っていたテクニックが輝き始め、大きなサークルとして機能し始めたのです。

その後、2007年に私がJOPA (日本オステオパシープロフェッショナル協会) を創設すると同時に、「膜」を軸としたセミナーを開催し多くの治療家に支持された結果、わずか5年を待たずに日本最大の会員数を誇るオステオパシー団体を創りあげることができました。

これは、私自身のこれまでの努力が実ったのと当時に、正当なオステオパシーを広める方向性が間違っていないという強い自信になりました。

しかし、現実を見てみますと、セミナーだけで一流のオステオパスを育成しようと思うとかなり難しくなります。それは、教える側と学ぶ側の問題が大きいからです。つまり、いくら多くのテーマを教えても、投資している資金が学校の学費と比べるとはるかに安いため、難しいことは簡単にあきらめることもできるし試験もないため、技術と能力が伴ってなっていなくても次のレベル・クラスのテーマを受講することが出来ます。また、眠たくなれば眠れるし、少し横道にそれようと思えばそれも可能です。また、逃げようと思えば逃げることもできます。そういった状況下でも一流になるまで上達しようするならば、よほど強い信念を持ちあわせ、かつ自分との戦いに勝てるものでないと難しいかもしれません。これらは、学ぶ側の問題点です。一方、教える側の問題点としては、セミナーは、生徒が基礎医学において一定水準の能力を持ち合わせているという前提条件のもとに行われ、かつ時間内に予定されていた内容を教授すればセミナー講師としての責任は終了し、生徒全員が内容を理解しているか、本当に技術のコツを掴んでいるかについては、セミナー終了後は一切関与しません。

次に学校についてですが、学校の場合、 年間の学費はセミナーと比べると高くなります。それは講師の年間招致費用、通訳料、翻訳料、設備費、その他運営費などがかかるためです。生徒は学費を自己投資することで、学ぼうと腹を据えて入学し、自己投資している以上は真剣に打ち込みます。また、学校側も生徒のレベルを考慮する際に、まだ必要な知識や技術を持ち合わせていないという認識の基で一からプログラムを構築し、入学してから卒業するまでの間、授業の内容を理解しているか、技術の最低限のコツは掴んでいるかなど、定期的な試験を通じてチェックし、ついてこれない場合には補習や再試験を行ったりして、何とかついて来れるように最大限の努力をします。しかし、それでも知識や技術が一定レベルに達しない場合、あるいは出席日数が足りない場合などは、進級の停止や卒業の延期を行い、学ぶスピードの調整を行ってでも最低限度のレベルまで引き上げようと努力をするのが学校です。

私は、当初は学校でなくても上達できると考えていました。それは、自分自身の経験を通じてのことです。しかし、実際はどうかというと、50代の私がひたむきに学んだ20~30代の時代とは違ってしまったのかもしれませんが、あまりにもメンタル面が脆弱でインターネットなどの溢れるばかりの情報に振り回される人が多いことを目の当たりにして、セミナーだけによる真のオステオパシーの普及活動に限界を感じるようになりました。

そういった様々ないきさつの結果、オステオパシーを学ぶための学校を、そして美しい文化都市である神戸にこそ、創るべきではないかと再考したのです。

ここで、再考と書きましたのは、実は5年前にも一度カナダの学校と業務提携し契約まで行きましたが、授業中の事故に対する医療賠償保険が日本にはなかったため(当時においても現在においても、治療中の医療過誤による賠償保険はあっても、民間資格の学校の授業中やセミナー中の事故を補償する保険はありません)、開校を断念せざるを得ませんでした。しかし、その後、当協会はこの問題を努力により独自解決することで、オステオパシーの学校話も現実味を帯び始めることになりました。

私は、日本で学校を始めるにあたり、どこかの学校と提携するか、あるいは提携せずに独自の人脈をもって世界中からそれぞれの分野でのエキスパートを集めるかを迷いましたが、当初の選択として、ベストな学校と提携して学校を立ち上げることを考えました。提携することの最大のメリットは、講師を我々が集める必要はなく、試験などにかかる膨大な事務作業などは全て本校が対応してくれるということです。しかし、デメリットもあります。最大のデメリットは、本校の許可なくカリキュラムを勝手に変えることが出来ないということです。これは、時代にそぐわなくなった内容であっても、変化に対応できないことを意味し、その結果、取り残されることになります。そして、表面上はわからない事ですが、提携校が非常に努力をして経営を軌道に乗せたとしても、本校の経営ミスにより本校が学校閉鎖となれば、提携校も同時に運営できなくなってしまう問題もあります。

このような経緯から、私は海外の学校と提携することはリスクも大きいということを知り、提携による学校創立をやめました。

では、自主独立した学校、そしてヨーロッパの名門校にも負けずに、アメリカのD.O.に聞かれても胸を張って説明できる学校を日本に創るにはどうしたらよいかを考えた結果、アメリカのD.O.を始めカナダ、ヨーロッパなどからエキスパートを集めればよいという考えに至りました。ただ、そこには大きな問題があります。それは、各国からいくら技術のよい講師(D.O.)を集められたとしても、チームとして連携が取れていなければ個々の内容は良くても学校としての教育として見た場合、レベルは低下します。しかし、メリットも大きいことも事実です。1つは、創設時より自主独立しているため、教育年数を含めカリキュラムの変更などが可能であるということです。私は熟考した結果、海外のどこの学校とも提携せず、自主独立した学校を創設することを決断しました。

そして、講師のチーム連携の問題解決としましては、レンゾー・モリナーリD.O.をアドバイザーとして契約し、ヨーロッパの講師陣は、レンゾー・モリナーリD.O.の教え子の中から抜群の技術力を持つ講師をリストアップしました。そして、私とレンゾー・モリナーリD.O.の人脈をもってアメリカ・カナダからも、我々の目的を提示した上で同じ理念を共有してくれる優れた講師を招集し、かつJTOCの教育方針に沿った講義をしてもらえるオステオパスを採用するという手段をとりました。全科目の講師が決定した後、講師陣全員がイギリスに集合し、幾度もプレゼンテーション・ミーティングを重ね、「膜」を軸とした全科目に至る内容を協議・検討することで全ての問題が払拭され、JTOCと全ての講師陣が1つのチームになれる運びとなりました。また、カレッジ設立資金に関しましては、すべて私財を投じるという決断のもとで問題は解決しました。

我々は、JTOCが「日本で一番」の学校であるかどうか、他校と比較したこともないのでわかりません。ただ、はっきり言えることは、どこの学校と比べられても絶対に劣るような内容ではないということは断言できます。それどころか、JTOCは他校と比較対象とされる次元のものではなくなるかもしれません。

学費は決して安いものではなく、皆様にとっては高額であると思います。しかし、JTOCの教育を提供するためには最低限度必要な費用なのです。どうかご理解ください。

我々JTOCスタッフは、生徒に対し夢と希望を与え続けられる教育機関を創りたいと願っています。皆様のご入学、そして同窓生としてオステオパシーを楽しみながら、そして苦しみながら学べる日を心待ちにしています。

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※D.O.(Diploma of Osteopathy)、JTOC、日本オステオパシープロフェッショナル協会(Japan Osteopathic Professional Association)は登録商標です。
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